第1回 ハイメス留学劇場
平成21年10月27日(火) 札幌市民ホール2階 第6会議室

(体験者) 後藤ちしを 立花雅和 二田浩衣  (体験者・広報委員) 石田敏明 森吉亮江
(コーディネーター)駒ヶ嶺ゆかり  (陪席) 藤田専務理事 西村事務局長

第3話 【ついに帰国】

司会(駒ヶ嶺):皆様、それぞれのサバイバル生活を終えられ、いよいよ帰国の段となられたわけですが、帰国され、それぞれ今後の事をお考えの事と思いますが、時間も差し迫って参りました。今後のハイメスにご希望される事がございましたらお話ください。是非参考にさせて頂きたいと思っておりますのでご意見をお願いします。ではまず立花さん。

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立花:こういう集まり、留学を終えた人同士のつながりを作るとか、交流する場であるとか、留学する前の人たちが集まって交流するとか、そういう場を用意することかな。飲み会でもいいし。

司会:つまりハイメスのアーチスト会員にどのような方がいて、どんなこと考えているかを知るチャンスを持とうではないか、と云う事ですね。私自身、本日のお話を伺って様々な発見があり、大変興味深いと感じました。また自分以外の国の留学経験の話も聴いてみたいし、あるいは共演を通じて広がりをもてる機会を作れれば、ハイメスの国際音楽交流の意味が深まりますね。

立花:これから留学する人にも、横のつながりがあれば心強いかなと。

司会:近年、日本以外の東洋人が大挙して音楽留学をしていますね。それぞれの国の受入れ状況も違いがあるのでは?

後藤:ウィーンは日本人が多かった。イタリアは韓国人が多かった。

石田:ドイツも韓国人が多かった。 

立花:フランスには東洋人に限らず世界から満遍なく来ていました。

森吉:ベルギーには当時、東洋人留学生はそれほどいなかったですが、日本人留学生に関しては、毎年新しい顔ぶれが加わっていましたね。

立花:僕が体験したわけではないが、自国の文化を守ろうとする動きはあると聞いています。

司会:なるほど。ではハイメスへのご希望について、後藤さん。

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後藤:先ほど具体的な提案を聞いてなるほどと思いましたが、本当に留学は心身ともに大変なことが多いので、励ましというのが嬉しいし、帰国後は各々がどう活動するか、ということも含めて賛同したい。

司会:ニューイヤーをはじめ、ハイメス主催のコンサートへの出演ばかりではなく横の繋がりを持ちたいという事ですね。意見交換ができる場面があることは大切です。だれでも一人で走っているのではない、という想いは励ましにも繋がりますね。帰国してからの活躍を期待してこそ、コンクールを開催しているのですから、ハイメスとしてもこの事は考えて行くべきでしょうね。

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二田:時代によって事情は変わっていくので、留学している人から、例えば3か月ごとに現地レポートを書いて頂いて、これから留学する人への参考にする、というのもいいですね。

司会:札幌音楽家協議会では年に一度機関紙を発行し会員に配布しています。留学報告が載ることもあり、興味深く読ませて頂いています。ハイメスもホームページにその様な情報を織り込んでいけたら良いですね。そのあたりも今後の課題だと思います。

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石田:コンクール受賞者が何年に一度か集まってコンサートを開くのも面白いのかと思います。自ら演奏会の企画から携わることで、交流が活性化されたら嬉しいです。

司会:これから巣立つ人に対する支援システムは珍しくないが、その後研鑽を積んだ人々が更に上を目指す、プロとして磨きをかけたい人への対応を考える必要があると思う。では、森吉さん。

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森吉:これからコンクールを受ける人にも受賞者各々のプロセスを見て頂くのは、いわば、代送りするという意味も含めて賞を頂いた責任でもあると思うので、ニューイヤーに加えて更なる機会があれば、帰国組にも、若い留学希望組にも刺激となり、連鎖が生まれていくのではないでしょうか。

後藤:私は今年2月、アーチスト企画コンサートを開催しました。そうしたアピールを私たちは常に持ちながら繋がっていく様な、そうしたことを心がけるべきだと思う。

森吉:皆さんとの交流が深まれば、またそこから何かが生まれるかもしれませんね。

司会:大変素晴らしいお話を伺わせて頂き有難うございました。今回の座談会は、これから留学を目指す方々の指針となることでしょう。皆さんの今後のご活躍を、心よりお祈りしております。今日はお集まり頂きまして、ありがとうございました。


以上、留学座談会『ハイメス・留学劇場』をご覧頂き有難うございました。
5名の方の貴重な体験談を伺うことが出来ました。

次なる企画は、留学経験者とこれから留学を希望される方々との座談会を予定しております。
今後の"ハイメス劇場"に乞うご期待下さい!


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