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指揮者・新田ユリ インタビュー
昨年に引き続き、情熱的、且丁寧に導いて下さる指揮者新田ユリ氏を迎え「道民・オーケストラワークショップ」の暑い季節がやって参りました。今回の演奏会に向け、またご自身の今後の活動についてお話を伺わせて頂きました。
-今年も大変興味深い演目です。昨年は「日・フィン修好90周年」を祝し、オールシベリウスプログラムでした。今年はそのフィンランドからシベリウスと、日本初演のクラミの作品、ドイツはベートーヴェンの劇音楽「エグモント」全曲という、二つの国を繋ぐプログラムとなりました。このプログラムへの思いを伺わせて下さい。
新田ユリ(以下新):実は「エグモント」全曲演奏は初めてです。不安もありますが、今は大きな期待を持っております。北欧音楽は私にとって重要な研究対象であり、それは自分の深い道でもあります。しかし独立した「北欧」はありえず、この度のようにクラシックの王道であるドイツとリンクさせることにより、二人のシンフォニスト、ベートーヴェンとシベリウスを取り上げる事は、大変貴重な機会です。実際ベートーヴェンが亡くなった38年後にシベリウスが生まれており、両者にとってそんなに時代は離れていません。何かしらの影響を受けたであろうシベリウスの目を感じつつベートーヴェンを眺めてみたいですし、シベリウスについても新たな発見ができると思っています。
-昨年に続き「道民オーケストラ」との関りを持って頂きましたが、このような企画に対しまして、どのような事を感じていらっしゃいますか。
新:プロ・アマ・学生・フリーと様々な立場から参加され、このようにオーケストラを作り上げていく事は、専門的でプロフェッショナルなレベルを求める世界と一味違い、演奏会の本来の姿である、演奏者と聴き手によって作り上げていく事を知ることは大切な機会であると思います。沢山の手、裏方の支え、多くの人々の力と思いがあってこそです。その事を感じることで、音楽の聴こえ方、見え方が変わると思います。そのひとつの場としてほしいですね。
-ここで新田さんご自身の今後のご活動について伺わせて下さい。
新:私にとってフィンランド、北欧の作品を紹介することは大変重要、かつ私に与えられた役割だと感じています。まだ知られていない素晴らしい作品の演奏のチャンスを見付けていきたい事と、志を同じくする人々と共に様々な企画に取り組んで行きたいです。「アイノラ交響楽団」の指揮者としての活動も、演奏会「森と湖と詩 プロジェクト」の企画も今後に向け、ますます発展させて参りたいと思っております。来年2月には歌曲の演奏会ではピアノ演奏で出演致します!
お忙しいリハーサルの合間に、快くインタビューにお応え下さいました。瞳の奥に秘めた情熱を感じさせるマイストラは、終始優しい口調で自然なお人柄が大変魅力的でした。新田ユリ 公式サイト 森と湖の詩 http://www.yuri-muusikko.com